講座レポート

NO.70野火止用水と平林寺

~農の風景を歩く~

(2004.5.30 埼玉県新座市)
 東京周辺の貴重な自然、田園風景を歩き、環境・農業と私たちの暮らしとの関わりを考える「農の風景を歩くシリーズ」。第7回目は、秋山好則先生の案内(写真中)で野火止用水~平林寺周辺を歩いた。
 まずは、新座市本多の安田家を見学。江戸から続く農家で、家屋は今もなお、シラカシとケヤキ主体の見事な屋敷林に囲まれている。屋敷林は一本一本に目的がある。南側の樹木は畑の土埃を防ぎ、東南のケヤキは台風よけ、母屋の前のシラカシは縁側の木陰となる。生け垣はヒイラギ、隣地との協会にはウツギ。西側にはサワラ、東側は竹林、北側は杉林。これらが二重三重に配され、夏涼しく冬は暖かく環境調節の機能を果たしている(写真上)。先生の解説は丁寧でわかりやすく、じっくり観察しながら林を回る。
安田家を出て、野火止用水に沿った本多緑道を歩き、平林寺に向かう。玉川上水から分水した野火止用水は全長25kmで、川越地区の武蔵野台地を潤してきた。水が流れない時期があったが、今は史跡として復活している。
平林寺は臨済宗の禅寺で、境内林は56haにおよび、アカマツ林、コナラ・クヌギ林からなっている。5月とは思えない暑さの中、人の手で作り上げてきたをが、武蔵野の美しい林を巡りました。