NO.47改築古民家と土蔵見学
~小江戸「佐原」を訪ねて~
(「住む」の講座/2003年3/30 千葉県佐原市)
”「住む」に田舎を取入れる”講座の第4回目は、水郷の里千葉県佐原を訪ね、改築古民家や古い街並みを見学した。
佐原は、江戸・明治・大正期の古い商家や醸造元の建物が今なお残る利根川流域の”小江戸”。時代劇のロケにもよく使われるという。 今回は、第1回の講師で建築家の郡裕美さんの建築事務所「スタジオ宙」スタッフ木名瀬佳世さんと、スタジオ宙が手がけた改築古民家の施主で不動産会社「しゅはり」の小森俊太郎さんに、町と建物をご案内いただいた。
午前中は「しゅはり」の見学。明治中期に建てられた建物の空間や材質を活かしながら、現代の店舗として適応するよう、すっきりと改装されている。こんなオフィスで働いてみたいものだ。
昼食は、フレンチを中心にしたレストラン「吉庭」。明治初期に建てられた民家を改装し、日本庭園を眺めながら食事が出来る。 午後は、古い醸造元や呉服店、そしてこの町の生んだ偉人「伊能忠敬」の旧居などを見学する。老舗「正上しょう油店」では、ご主人自らが県指定文化財となっている家屋と旧店舗の中を案内して下さった。今では手に入らない材料や職人技の発揮された貴重な空間に、30名あまりの参加者からため息が出る。
最後に、「スタジオ宙」が手がけた店舗や住居・土蔵の改装3軒を見る。アルミサッシを格子戸に変えたり、黒漆喰の外壁にしたり、街並みの風情をと美しく調和している。
佐原では街並み保存運動の成果で、年平均11棟が改装築されているという。伊能家の昔から、公共精神の強かったという佐原の人々の意識の高さが感じられる。
解散後は、名物の胡麻油や味醂などのお土産を買ったり、町並み散策を続けたりと、みんな思い思いに佐原の町を楽しんでいた。
写真(上右)「しゅはり」外観/(上左)「しゅはり」の応接コーナー。黒漆喰の壁が見事/(中右)伊能忠敬邸前で/(中左)「正上」のご主人/(下)「スタジオ宙」スタッフの木名瀬さん