田舎の学校つれづれ

NO.7「里山のこれから―私たちのできること」

   里山の決まった定義はありませんが、人があまり入らない奥山と市街地の間にあり、農業を中心とした村落。山々の裾野や丘陵地で谷(谷戸)と丘からなる地形を指しています。谷戸は田んぼとして、周囲の雑木林は薪や炭、竹林はさまざまな農具・生活用品や建築材料、落ち葉は堆肥となり、日常生活になくてはならない場所として大切に管理されてきました。 日本人の原風景は四季を織り成すこの里山の風景とも言われますが、近年の都市化と高齢化で里山は荒れ、消えていく状況にあります。
   「田舎の学校」会員のOさんからご紹介された里山は多摩丘陵の一角で、60~70年代に谷が埋められ次々と団地が建設された地域です。この里山はたまたま開発を免れたところで、裏山の雑木林は保全林として下草刈りもされている美しい林です。 しばらく手を入れていない田んぼや畑を復活させるにはOさんお一人では無理があり、「田舎の学校」の実習場としての活用しながら 手を入れていき、いずれは子どもや学生の参加も、と思っています。
   郊外を列車で行くと、ススキや雑草で覆われた田んぼ跡や竹林が畑や谷戸に迫り、今にも押しつぶされそうな景色を目にします。それらすべてを元の姿に戻すのは不可能に近いですが、せめて今ある里山を保全するには、いろいろな人たちが関わり、作業を通して自然に学び、里山に受け継がれてきた生活の智恵を学ぶ、そのような活動が良いのかもしれません。
(2006年5月 田舎の学校代表 田中直枝)