(2013年7~8月)
7月より「ヒューマンアカデミー カルチャースクール 碑文谷校」の講座を受け持つことになりました。菜園インストラクターの青木美加子先生と、ハーブ講座講師・高須しのぶ先生が「キッチンガーデン」「エディブルガーデン」をそれぞれに月1講座ずつ、交互に担当します。教室で講義と実習を行います。
7月は青木先生(写真)がスライドを使った講義とプランターでトマトの苗の定植やニンジンの種まきを実演しました。受講生には3種類の苗とタネのお土産がつきました。
8月は高須先生がキッチンハーブについて講義。赤シソジュースとゆかりを受講生と作り、バジルペーストとフレッシュハーブ入りクリームチーズを試食。バジルやチャイブのお土産がつきました。
「田舎の学校」長年のベテラン会員さんや、「菜園インストラクター」講座出身の方々は実力派揃いで、今後のこのような講師派遣が増えることを願っています。

(2012年4月~)
春から始まった三鷹での「果樹栽培」講座。キウイとブドウは島田芳造さん、ブルーベリーは吉野康雄さん、とそれぞれ専門の果樹農家から教えていただいています。今季の受講生4名は、農家の後継者や、果樹園を引き継いだ方、将来の田舎暮らしで果樹栽培を計画している方など。
果樹栽培のノウハウは、本だけではなかなかわかりません。ジベレリン処理(種なしブドウを作る処置)、房作り、結果母枝(去年着果した枝)、短梢剪定、とび玉(房の中でいくつか着色し始めたもの)などなど、使われる用語自体新鮮で、目からウロコのお話もたくさん。果樹、特にブドウ一房ができあがるまでの、気の抜けない細かな作業、繊細で高い技術には驚かされます。一粒が500円玉より大きく、一房で1kg前後になる「藤稔(ふじみのり)」など、芸術品のようです。多くの人に果樹栽培に挑戦してほしい、という島田さん(写真上)の熱意にも打たれます。ブドウの実習では、それぞれ、自分で摘粒して仕立てた房に袋をかけ、名札をつけました。8月末の収穫が楽しみ。キウイは、11月の収穫です。
ブルーベリーは、7月の収穫から実習スタート。吉野農園(写真下)では3か所の摘み取り園で、ハイブッシュ系・ラビットアイ系合せて数十種を栽培しており、順次収穫期を迎えます。実は、剪定より難しいともいわれる完熟果の見分け方。一見色の濃い大きな粒でもまだ酸っぱいことが多々あり、意外でした。品種により風味は異なりますが、食べ時の実は芳しい味がします。年明けの剪定の実習では、単独の募集も予定しています。


(2011年6/29、6/25、8/6 東京都・夢の島熱帯植物館、長野県原村)
昨年の「日本ミツバチ養蜂講座」の応用編です。日本ミツバチにも応用できる西洋ミツバチ養蜂のポイント実習。「東京都夢の島熱帯植物館」と原村で、全3回の実習がありました。昨年の講座を受講された熱帯植物園館長さんが置いた巣箱に、日本ミツバチが集まっています。原村の荒野講師が、講座実習と植物園での秋の展示会のために、西洋ミツバチ2箱(2群)を運んできました。
①西洋ミツバチの様子を知る~”内検”の手順を学ぶ(6/19:夢の島熱帯植物館)
西洋ミツバチは、日本ミツバチと比べて少し性格がキツイので、刺されないように気をつける。煙を吹きかけて箱を開ける。巣枠をゆっくりと持ち上げ様子を調べる。王台(女王蜂へ変わる元)ができていたら、つぶす。オスの巣もつぶす。月に1、2回は、内検を行う
②西洋ミツバチ内検(6/25:夢の島)
③西洋ミツバチの採蜜 (8/6:原村)
2回目は、原村で採蜜の方法を学ぶ。煙を吹きかけ、箱から2枚巣枠を取り出す。巣蓋を少しずつ、こそげ取る。採蜜の遠心分離機に入れて、手回しして採蜜。
④巣枠作り(8/6:原村)
枠に針金を張る。蜜蝋の巣板を張る。この作業は主にミツバチが活動をしない冬場に行い、何枚も作っておく。





(2010年9/25-26、10/3 長野県原村)
4月に巣箱をしかけて5ヶ月。前回7月の分封から2ヶ月。いよいよ養蜂講座も締めくくりとなる。3回目の講座は9月25~26日、1泊2日の実習で採蜜の作業だった。5ヶ月かけてミツバチが集めた蜜を巣ごと採取するわけで、住人のミツバチにとっては家ごと無くなる大事件。日本ミツバチは西洋ミツバチと違い、採蜜時に新しい巣箱へ引っ越してもらわなければならない。新しい巣箱を隙間なく古い巣箱にドッキングして(写真1)、古い巣箱を木槌でたたいて移動させる。新居を気に入ってもらえないといなくなることもあるので、丁寧に刺激をしないように進める。
移動を確認してから古巣を開けると、蜜がたっぷり入った巣があり、一同から大きな歓声があがる(2)。巣板を壊さないように注意して、取り出す(3)。
ハチミツには「搾り蜜」と「垂れ蜜」との二種類があって、搾り蜜は巣を崩して搾り、蜜も多く採れるが不純物も混入してしまう。一方、垂れ蜜とは、巣から垂れてきた蜜だけをとる、純度100%のハチミツ。ゆっくりと垂れるのを待つ。10月3日にはこれを持ち帰れることになった。
移動したミツバチには(5)、当分の間給餌として砂糖水を与えること、空になった巣箱は真水に2~3回漬けてスムシを除去することなど教わる。
翌日は昨日荒野講師が行ったことを受講生だけで行い、無事終了。
10月3日は蜜蝋つくり。これは簡単で、巣を鍋で溶かし、不純物を取り除く作業を幾度か繰り返しながらの工程を教わる(6)。昼食には自家製ピザを石窯で焼き、今回の蜜をたっぷりかけて食べる(7)。ハチミツの醍醐味が味わえるゴルゴンゾーラのピザ(8)。蜜1.3kgと蜜蝋をお土産に。すべてが充実した講座だった。
来年は入門編と応用編のクラスを企画する予定です。(レポート:棚橋勉)
(2010年7/4 長野県原村)
ミツバチの習性や巣箱作りについて学んだ第一回に引き続き、今回からは、いよいよ飼育についての講座だ。 まずはミツバチの群を確保することから養蜂は始まる。ハチを飼育農家から買ってくる方法と、自然群補捉(巣箱を置き、野生のミツバチが自然に入ってくれるのを待つ)があるが、講座ではもちろん自然群補捉についてレクチャー。ミツバチが巣作りに好む環境の条件がいくつかあって、その特徴について教えてもらう。そのあと、一ヶ月前に講師の荒野さんが理想とされるところに巣箱を設置したとの話で、群が入っているかを確認しに現場へ。すると、見事に野生のミツバチが巣箱で生活を始めていた。新しい野生ミツバチ家族との出会いとなった!?
自然群捕捉に続き、分封についての講義に移る。分封とは、ハチの群が大きくなると桜の咲く頃にふたつの群に分かれ、片方は巣を離れて旅立つ。が、この旅立つ群を新しく用意した巣箱へうまく誘導し、群を増やしていくという飼育を丁寧に教えてもらった。この方法であれば、ハチの群がどんどん増えそうな気もする。しかし、実際のところは病気になって弱っていく群があったり、急に巣箱から去る群があったりと、飼育する人の腕だけではなく、ハチの生活しやすい環境が問われることの重要性も教えてもらった。つくづくハチミツは人間とミツバチとの関係性、また自然との共生で味わえていることを実感する。
そして、この日最後に学んだのは、日常の管理の仕方について。巣箱の掃除や内部の点検、ハチの健康状態の見方についてなど、実際に現在飼育されている巣箱をチェックしながら作業を行った。最初は恐る恐る作業していた人もハチに次第に慣れてきて、体験してみることの大切さを実感。
今年から新しく始まった養蜂講座だが、野菜作りとはまた違うかたちで「作る・飼育する・食する」楽しさと共に、自然とは何かを考え、体験できるコースとなっている。(レポート:棚橋勉)
1.今回荒野さんが仕掛けた巣箱。見事に野性のミツバチが入っていた。
2.巣箱の点検、掃除を実際にやってみる。意外と簡単でビックリ!ポイントはハチを刺激しないこと。
3.中の様子はこんな感じ。この箱はまだ新しい群なので巣を作り始めたばかりだ。
4.成長した巣はこのようにビッチリ。巣箱の重さを測って成長具合を観察する。
軽量土壌を使った野菜とハーブの栽培実習
(2010年4~5月)
初めての講座。庭で畑ができる人は限られているが、ベランダや屋上の小さなスペースでも菜園は作れる。その場合、栽培技術や土にはどのようなポイントがあるのだろうか、今回は、千代田区のビル屋上で講習会を行う。
①4/24:小泉美智子先生の園芸とハーブの講義。いろいろなハーブを持参しての内容の濃い授業。後は屋上菜園を見学。管理しているNPO法人大江戸野菜研究会がワークショップをしている。塀にはテイカカズラ、ブルーベリーやブドウ、野菜にハーブなどが美しく植わっている。
②5/1:大江戸野菜研究会の阿部義通さんの夏野菜のお話とナス、キュウリ、トマト、ピーマンをルーフソイルという軽量土壌に定植。深さ20cmの土で野菜が育つのだろうか? お土産に野菜を2種類持って帰る。
③5/8:小泉先生のお話をうかがいながら、ハーブを2種類を定植。
④5/22:定植した野菜の管理。トマトとキュウリ、ピーマンの支柱立て。浅い畑に筒状の布袋に土を入れて根元におき、そこに支柱を立てる。最後にスイカの苗を定植。
(2010.5月~農家に学ぶ夏野菜作り「小金井教室」)
新しい野菜栽培講座の教室です。まだ20代の若い農家・高橋健太郎さんは、まわりbの先輩たちに背中を押されて、教室を受け持って下さることになりました。JR中央線からも農地がみえる東小金井駅の近く。果樹や花々が植えられている美しい圃場です。
5/1の初日はナスの定植と里芋の植え付け。先輩の高橋金一さんが、堆肥や肥料のことを詳しくレクチャー。ナスはすでに張ってあるマルチに1列、50cm間隔に穴をあけて定植。里芋は20cmの深さの溝に50cm株間、種イモを置き、間に肥料4種類を置く。
5/15、トウモロコシ2本を1本にする間引き。インゲンと枝豆をマルチの穴に2粒ずつ播種。無農薬の小松菜と絹さやのをお土産に収穫。
6/5、今年は春が寒く、夏野菜もやっと生長し始める。キュウリ、トマト、ピーマンの管理、誘引、芽欠きの説明。トマトの芽欠きと誘引を皆で行う。その後、ナスの畝間にどっさりと贅沢に藁を敷く。草を抑え、泥はねを予防、乾燥防止と使用後は畑にうなって堆肥にと藁は優れもの。お土産にキュウリを好きなだけ収穫。
今期はあと2回、夏の収穫まで続きます。早くも、秋冬講座の日程も決まり、高橋さんもますます意欲的に取り組んでおり、これからも楽しみです。
(2010年5/9 長野県原村)
5月9日、新設講座の「日本ミツバチ養蜂講座」1回目が行われた。快晴のもと八ヶ岳、南アルプスの眺望が素晴らしい原村に、興味津々の受講生が集う。メンバーは自分の庭や畑でミツバチを飼ってみたい人たちや、ハチミツと蜜蝋が楽しみという人たち。自己紹介の後、荒野民雄講師から、「ミツバチ」の基礎知識の講義を受ける。
ミツバチは世界に9種類、日本では日本ミツバチと西洋ミツバチがある。明治に移入された西洋ミツバチは生産効率に勝り、産業として成立している。日本ミツバチは細々と飼育されてきたが、近年の西洋ミツバチの不足で見直されつつある。病気に強く、薬を投与せずに飼育でき、蜂蜜のコクや香りが強いとされている。日本ミツバチ養蜂の年間サイクルは、巣箱の製作→春期の分封(巣分れ)→捕集と営巣→暑さ・天敵スズメバチ対策→採蜜→越冬対策、となる。
次に、講師が飼育している日本ミツバチと西洋ミツバチを観察。まずは見分けられるようになること。さらに、巣箱の設置条件を教わる。巣箱の種類は大別すると、①ヨコ型 ②タテ型 ③樽型 ④丸太のくりぬき がある。今講座では、タテ型に少し手を加えるとヨコ型にもなるタイプを作製する。
講師宅に移動して昼食後、巣箱(自然群捕捉用)作りに挑戦。講師が前もってカットした杉材のキットが用意されていた。インパクトドライバーや電動糸ノコを使って、二人一組で組み立てる。仕上げに、ミツバチを匂いで誘い込むよう、溶かした蜜蝋を入口に塗って、出来上がり。希望者は巣箱を持ち帰る。うまく行けば夏までに蜂が巣を作ってくれるかも?
時間がアッと言う間に過ぎた内容の濃い実習となる。次回は7月、日常のミツバチの管理を教わり、分かれた群をどのように捕捉するか、実習する。
「田舎の学校」でも初めての講座で、どんな実習になるか、今後も楽しみです。