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(2002年1/18 神奈川県厚木市小町緑地/指導:東京農業大学講師 宮田正信先生)
12月の教室講義を受けて、今日はいよいよ果樹剪定の実習だ。厚木市の管理する果樹園の手入れに、ボランティアの形で入っての実習ということで、朝9時半、現場の小町緑地には市の関係者、農大の学生、当校の受講生ら数十名が集まった。まずは宮田先生から、本日のスケジュールの説明がざっとあり、その後早速、剪定の実技見本が披露された。見栄えよく刈り込む植木剪定と違って、果樹の剪定はあくまでおいしい実をたくさん収穫するためのもの。どんな枝をどのように切るか、どの枝を残せばいいか。しばらく放置されてぼうぼうになっていた柿の木を題材に、先生得意の冗談を交えながらの指示が、樹上の助手の人に次々と飛ぶ。柿の木が、みるみるうちにすっきりと風通しよく変わっていく。
続いて、実習。各自、のこぎりと剪定バサミを渡され、腰紐でぶら下げる。ここ小町緑地の傾斜地に広がる「果実の森」には、約30種もの果樹が植えられている。午前中は、柿の木班、ナツメ・ザクロ班に分かれ、落葉果樹の実習。お昼をはさんで午後からは、カンキツ類の剪定。葉が落ちて枝組みが露になった落葉果樹と違って、うっそうと葉の茂ったカンキツ類は
樹形が見えにくい。とにかく、木の中の方まで日当りをよくすること、下側の枝を生かすために、上の方の邪魔な枝を見極めること、これが基本中の基本。はじめはおっかなびっくりではさみを入れていた受講生たちも、宮田先生の「切り過ぎたって、木は死にませんから」の言葉にほっとしたのか、勢いづいたように刈り込み始めた。ジョキンというはさみの音、のこで切る手ごたえも快感、さっぱり、すっきり変わっていく木を見るのも気分爽快!カラタチの台木でミカンの接木苗を作る方法も、お聞きした。みんな口々にぜひまたやりたい!と言い残して、帰途に着いた。
木登りもお手のもの
宮田先生を囲む受講生と学生たち
(2001年12/8 東京都小平市高橋農園)
年内最終日の農作業は、お楽しみ収穫dayとなった。後期講座初日、10月6日に自分たちで種を蒔いたホウレンソウをこわごわしながらカマで刈り取り初収穫。袋詰するのも初心者にはなかなか難しいのだが、高橋実お父さんの手にかかると目も鮮やかに袋に収まったホウレンソウは、薄紅色の株元がきちんと揃って美しい!!年季が違う。 次はハウス栽培のカリフラワーと早生種のハクサイの収穫と続いた。その他、ブロッコリー、長ねぎ、ダイコン、キャベツなど冬野菜が真っ盛りで、縦長の高橋圃場は今、緑のグラデーションが見事だ。さらに、葉ボタンやパンジーの苗が明るい色合いを添えている。
私たちがのんびりと収穫の喜びに浸っているとき、収穫されたほとんどの野菜を庭先販売している売り場では、浩幸さんの奥様が途絶えることのないお客さんの応対にてんてこ舞いだった。

10/20のイチゴの定植風景

イチゴの収穫は来年5月ごろ
(2001年11/10~11 群馬県新治村)
悪戦苦闘の末、四つ目編みの籠を完成!
新治村には職人がたくさんいるが、竹細工の本多幸次さんもその一人。自宅脇の体育館のような作業倉庫には、10mはありそうな竹が束になって積まれている。倉庫の片隅にゴザと座布団を敷き、座り込んでの作業となる。
まずは、竹割から。みんなの持ってきた鉈(なた)を一本一本チェック。「こりゃあ、みんな切れすぎる。」というやいなや、自分の鉈の背で刃をゴシゴシとしごき、つぶし始めた。 新品の鉈の刃をつぶされ、みんなあっけに取られていると、「刃が切れすぎると、竹が割れないんだよ」という。
鉈の刃を竹の切り口にくい込ませ、一本の竹を二つに割り、四つに割り、さらに細く割って、竹籠のひごを作っていく。パン、パン、と割れる竹のすがすがしい音、ミシミシっと裂ける音が、リズミカルに響く。無駄な動きのない美しい手さばきに、一同しばし見とれてしまう。続いて挑戦してみるも、「まあ、ひご作り6年だな」のことば通り、受講生はみな初めての鉈使いに四苦八苦。竹が途中で裂けたり、厚みが不均等だったり。練習に何本か試して、実際の籠用のひごは本多さんに作ってもらった。
今回作るのは、竹編みの基本、”四つ目編み”の籠。組んだ竹を足で押さえ、組み立てていく。一日目は底の部分まで編んで終了。すっかり冷え切った身体を奥平温泉「遊神館」で温め、その日の泊まりは「こ雲台」。
翌日は、本多さんが「こ雲台」へ出向いてきて下さり、古民家での竹籠作りとなる。残りの部分を編み上げ、難しい縁の始末を習う。ちょっとゆがんでいたり、すわりが悪かったりはあるが、初めての作品としては上々!とみな満足気。次回12月9日は、もうひとつ難しい六角編みの籠を作る予定。ひご作りの練習用に竹をもらっていく人もいて、意欲満々な受講生たちだった。

先生の手元を熱心に見つめる

出来上がった作品を手に
(2001年10/20、11/3 三鷹市石井農園)
大賞を二つも取った石井農園の野菜。収穫作業も心が弾む!
夏に種をまいた秋野菜も成長し、収穫の時期になった。三鷹のカリフラワーとブロッコリーは大田市場でも高値がつく特選品。前回10月20日には、カリフラワーに太陽が当らないようまわりの葉をかぶせる作業を行った。光合成で黄色にならないように、ひとつひとつ丁寧に包んでいく。これは本当に手間がかかります!!ブロッコリーはどこでも作るようになったが、カリフラワーはこの手間と市場の人気が落ちたせいで、栽培農家が減ってしまったそうだ。この日は他に、ストックの花の脇芽かきも行った。11月3日はそのカリフラワーの収穫と、キャベツの箱詰め作業。なんと、石井さん親子はこの秋の明治神宮の農業祭で、ブロッコリーが東京都知事賞、カリフラワーは関東農政局長賞をもらったのですよ!!その見事な野菜たちをお土産にいただきました。

石井さんのお父さん。自慢のカリフラワーを手に
講座レポート
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