NO.76農の一年のスタート
家庭菜園実習「藤沢教室」~無農薬・無化学肥料栽培実習~
(2005年1月~/藤沢市 相原農場)
農の暮らしの一年は、冬、土つくり・肥料作りの作業から既に始まっている。循環型農業の流れをつかんでもらおうと、今年の講座は年明けからのスタートとなった。
<1月29日堆肥見学・ボカシ肥の切返し・ダイコンの収穫(写真①、②)>
第1回は、相原農場の農法についてのオリエンテーション後、堆肥場へ行って、山積みになっている堆肥や納屋のボカシ肥の説明を受けた。相原農場では、堆肥は植木の剪定屑を米ぬか、水だけで作る。ボカシ肥は、主に追肥用に使う。空気を入れて水分を飛ばし、微生物の発酵を均一にするための切返し作業を体験。大きなスコップで、ボカシを反対側の壁に積み上げる。9人が交代でやっても、結構大変な作業だ。その後、軽トラでダイコン畑に移動。ダイコンの収穫をさせてもらったのだが、スポッと抜けるかと思うとこれがそうもいかない。途中で折れてしまったり、みんなてこずっていた。初日にして早くも、農業って大変なんですね、との声があがっていた。
<2月12日:踏込み温床作り(写真③)>
「踏込み温床」とは、微生物の発酵熱を利用した苗床のこと。この上に、夏野菜の苗ポットを置いて温度管理するのだ。落ち葉を敷きこみ、米ぬか、水をまいて、よく踏込む。これを何層か繰り返す。手間は相当かかるが、省エネになるし、温床の役目を終えた落葉は1年後には腐葉土となり、苗用の床土となる。まさに、循環型農業の真髄だ。
<3月12日:レタス苗の移植>
箱まきしたレタスの苗を、セルトレイに移植する作業。細かくて根気のいる仕事だが、苗作りの重要性は大きい。相原さんによると、「苗半作」ということばが昔からあって、苗作りのウェートは50%を占める、つまりこの段階で半分が決まってしまうということだそうだ。
<3月19日:サトイモの掘り上げ(写真④)>
冬の間地中深くに埋められ、わらに包まれ大切に保存されていたサトイモのタネイモを掘り上げる。今回のは前回の繊細な作業とは打って変わって、汗だくの肉体労働。
<4月2日:ダイコンのタネまき・ネギの苗床の草取り(写真⑤)>
ダイコンのタネまき。マルチの穴ひとつに、指2本で2穴をあけ、それぞれ2粒ずつタネをまく。今日は、時なしダイコンと、青首系の耐病総太りダイコンの2種をまく。移動して、ネギの苗床の草取り。相原さんによると、有機でやるにはネギは最も草取りの大変な作物だそうだ。たしかに、トンネル掛けをはがすと、ようやく10cm前後に育ったネギを覆わんばかりに雑草がばびこっている。
細くてまだ足元のおぼつかないネギをかばいつつ、雑草だけ抜き去る、これまた細かな作業である。地面が現れ、すっかりきれいになったネギ畑だが、今後も除草を怠ると、ネギはどんどん細くなってやがて消えてしまうそうだ。
①②
③④
⑤