講座レポート

NO.36世田谷の水と緑を歩く

国分寺崖線を巡って~2.
(9/23 世田谷区等々力~上野毛~二子玉川~瀬田・岡本地区)
  国分寺崖線(通称ハケ)を歩くシリーズ第2回は、崖線の東南端に当るエリアを歩く。ガイドは前回に続き、世田谷トラスト協会の小出仁志さんにお願いする。
   コースは、等々力渓谷(23区唯一の渓谷)からスタートして、野毛大塚古墳(南関東最大規模の前方後円墳)~六所神社~善養寺~上野毛自然公園~多摩川べりで昼食~行善寺坂~慈眼寺坂~多摩川テラス(木々と建物の調和が美しい。武家屋敷門が残る)~瀬田4丁目広場(旧小坂邸)~岡本静嘉堂~岡本民家園と、もりだくさん。アップダウンも激しい。
   前回同様、一番の感激は、23区内の住宅地にこんな自然が残っているのか!ということに尽きる。また、普段ぼんやりと眺めているだけの林も、世田谷の自然と道を知り尽くしている小出さんのお話を聞きながら回ると、全く違ったものに見えてくる。
   ハケからの眺望や雑木林の自然を生かして、明治から昭和初期にかけてこの辺りに政財界人や芸術家などの別邸がたくさん建てられた。そんな屋敷のひとつが、旧小坂邸。今は、瀬田4丁目広場として、世田谷トラスト協会が保存している。広大な斜面地の雑木林には、湧き水も出ている。もうひとつ有名なのが「静嘉堂文庫」。三菱財閥の岩崎家が、収集した膨大な美術品や書画骨とう品を保管するために建てた。敷地内を谷戸川が流れ、珍しい草木もたくさん残っている。すぐ下の岡本民家園、岡本八幡神社にも、陸に生息する巻貝や四角い竹(四方竹)など貴重な自然がいっぱい。たっぷり6時間歩いて、充実感いっぱいで解散した。

  等々力渓谷。上界より気温が2度低い

  多摩川べりで。小出さん(左)と受講生たち

  ケヤキの防風林が残る瀬田の住宅地

  岩崎家の霊廟