講座レポート

NO.19里山の講座

~武蔵野の農の風景~
(11/24教室講義、12/8三富新田見学)
 農民によって作られてきた武蔵野の里山の風景。江戸時代、水田開発が限界にきたときに畑の開墾が始まった。今回訪れた埼玉県の三富新田もそのうちのひとつで、柳沢吉保が開墾させた広大な畑である。
  1区画、幅40間(1間180cm)、長さ375間中央に屋敷から始まる1本の道が畑を通り、雑木林へと続く。上富小学校の屋上から全体を眺め、その整然とした畑に歓声を上げる。ここは、サツマイモの産地としても風名である。
  屋敷林は、風や家事から守る防風林の役目だけでなく、結婚など家に物入りの時に伐採して売った。雑木林の落ち葉は堆肥として、間伐材は炭として、農カの生活には欠かせないもので、循環型社会の原型を見ることができる。
  教室講義で聴いた話を実際目で確かめ、講師の松本先生の博識と巧みな話し振りに引き込まれ、時間があっという間に過ぎてゆく。手入れのされた美しい雑木林の中で、落ち葉の上に腰を下ろし、お弁当タイム。葉の下にはドングリなど、春の準備が始まっていた。小春日和の充実した一日だった。

農家1軒分が約72m×700mの、細長く広大な区画。奥に雑木林が控える。

まっすぐに伸びる農道

雑木林を歩く松本先生(右)と受講生たち