『都市と環境の講座―江戸東京編―』 の講座案内

2012初夏 四谷・赤坂に宮家の邸宅跡を巡る&日野の用水を歩く ~岡本哲志先生の「歩いて体感する江戸東京の都市空間 」

毎回ご好評をいただいております岡本哲志先生の「江戸東京講座」。今回は、テーマも趣も異なる2つのコースを歩きます。

1日目は宮家の邸宅跡を巡るコース。明治維新後、東京に移り住んでからの宮家は、初期の神田周辺(第1ベルトライン)から紀尾井町を中心としたエリア(第2ベルトライン)を経て、最後は渋谷~麻布・高輪~白金エリア(第3ベルトライン)へと移っていきました。その変遷は、東京という街が変貌する過程とともにあり、また、社会における宮家の役割とも深くリンクしていました。この冬の講座では、その最後の舞台のひとつ、高輪~白金エリアを回りましたが、今回は「第2エリア」の四谷~赤坂近辺。地形、江戸時代の層を重ねながら、宮家の華麗な舞台を想像してみましょう。

2日目は、初めての多摩エリア「日野」。江戸時代前期に整備された用水を巡ります。日野は台地・河岸段丘・低地で構成され、河岸段丘からは豊富な湧き水が現在も流れ出ています。その水を使って、古の人たちは生活の場としていました。日野の水の郷としての魅力は、湧水とともに、近世前半に網の目のように整備された用水です。ベットタウン化して水田が急速に減少しながらも、水の路を維持してきました。今回歩く豊田用水は、最も魅力的な用水です。しかしながら、近年土地区画整理が施行され、見る蔭もなくなります。私たち現代人は、何をしようとしているのか。揺らぎの風景を歩きながら、感じ、考えてみましょう。

日程と内容:日曜日 全2回 各10:00~13:00
①6/3 「四谷~赤坂」~宮家の華麗な営みの舞台を巡る
   四ッ谷駅→赤坂離宮(迎賓館)→喰違門跡→ホテルニューオータニ(伏見宮邸跡)→清水谷公園→旧グランドプリンスホテル旧館(李王家邸跡)→赤坂見附跡→衆議院議員公邸(閑院宮邸跡)→三べ坂→山王日枝神社→国会議事堂前庭和式庭園(有栖川宮邸跡)
*参考文献: 『古地図で歩く 天皇家と宮家のお屋敷』(岡本哲志監修 平凡社刊)

②6/17 「日野の用水」~豊富な湧水と用水を巡る
京王線・平山城址公園駅→豊田用水取水口→豊田用水→斜面地の湧水→図書館下の湧水群→黒川水路→東豊田公園(用水を取り込んだ親水公園)→七生中学校(自噴する湧水)→京王線・南平駅

講師:岡本哲志(都市形成史研究家・工学博士)
受講料:7、000円(会員)  8、000円(非会員)
定員:20名

喰違い門跡

喰違い門跡

豊田用水沿いの蔵

豊田用水沿いの蔵

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