NO.20「天候不順―米が心配」
雨にたたられている日本列島。梅雨のないはずの北海道も、6月から雨が続いています。東京でも快晴の夏空があったかしら、と思うほどです。
そうなると心配なのが、米のこと。日照不足から、米の不作が言われ始めています。1993年の冷夏による米不足のことが、頭をよぎります。翌年の春から夏にかけて、店頭から米が消えました。私は生協や「大地を守る会」から米を買っていましたが、夏には手に入らなくなり、タイ米を購入しました。でも、普通に炊いた白米としては食べられなかった。炒めたりカレーにしたり、餅やうどんを食べたり、あのような状態がまた…と思うと、気が重くなります。
その経験から政府は米の備蓄を増やしていますし、海外でも美味しい米が栽培されるようになったので、前回のようなことはないかもしれません。何でも手に入り、美味しく安い食品が溢れている今、いったん天候不順で農作物が不作になれば、食糧の確保が切実な問題になることを、頭のどこかに留めておきたい。
町田里山の米は、花が咲き始めました。9月には黄金色に穂が垂れるでしょう。米作りにかかわると、どうか無事に収穫できるよう、天にお願いしたくなります。
食糧の自給率が、チーズの高騰で輸入が減ったため、わずかに上がったとか。しかし休耕田の復活・農業の再生なくして、食糧への安心感は得られません。農地法が改正になり、企業や個人などの参入がしやすくなりました。また世界との関係でいくと、WTO(世界貿易機関)ドーハラウンド、FTA(2国間・地域の自由貿易協定)で、日本は農産物と工業製品が天秤に掛けられ、取引きされます。自由貿易によって日本の農家が立ち行かなくなる不利益は、工業製品など関税による収益や税金で補填することなどが
考えられます。しかし、これは大変むずかしい問題です。私たちの生命に関わる農政を、しっかりと見ていきたいです。
「田舎の学校ニュース」の会員レポートを楽しみにしているという声をいただきます。今回は3人の会員さんからのレポートです。
毎回古くからの会員さん、新しい会員さん、受講された講座の感想や農に関わる日頃の生活などが、いきいきと綴られています。
勝手にお願いし、快く引き受けて下さり、感謝です。私たちも大変参考になり、励ましになります。これからもよろしくお願いします。
(2009年8月 田舎の学校代表 田中直枝)