NO.16「すべて値上がり―これは生活転換、農業のビジネスチャンス」
今年の夏も暑い。私の子ども時代には30℃というのはと大変暑いという感じでしたが、今の感覚でいうと34℃というところでしょうか。今までできた農作物が温暖化で作れなくなり、栽培品種を変え、さらにどんどんと品種改良が必要になっているそうです。
原油高、食料品の高騰、そんな暗いニュースばかりです。食料品が値上りすることは充分に予想されていたことで、何を今さらと思わないでもありません。小麦の値上げによるパンの価格上昇は、米食に切替えする機会になり、皮肉にも我が国の自給率を少し上げるのに役立ったといいます。中国からの食料輸入で成り立っている私たちの食卓も、輸入量が減り、さらなる食料品の値上げは必至です。
世界中が食料と水の確保に躍起になる時代がきました。日本はフード・マイレージ(食料重量と輸送距離を掛けた数値で示した指標)が世界で一番、CO2を撒き散らしながら世界中から食料を手に入れています。例えばみそ・豆腐・醤油の材料となる大豆、自給率は約5%だそうです。家畜の飼料も輸入頼りです。もし、飼料が日本である程度賄えれば自給率はぐっとアップします。休耕田に飼料用の米を作る試みも始まり、実用化されることを期待しましょう。非常に高い水準にある日本の農業技術が様々の分野で広く活用され、うれしいニュースを目にする日がくるといいですね。
米の輸出地域だった東南アジアが輸入国に転じ、中国の輸入も増えています。日本の米輸出がさらに増していくでしょう。これらのことを考えると、日本の農業はビジネスチャンスを迎えています。「そう簡単にはいかないよ」といわれそうですが、シンプルに考えるとやはり日本の農業は転換期でしょう。フード・マイレージを低く押さえるためにも、地産地消(日本国内・地方の生産と消費)、そして農作物の輸出拡大。わたしたちの食生活も見直す時がきています。



田んぼの草取り・大豆の花・6月の小麦畑(町田里山再生隊スナップ)
(2008年8月 田舎の学校代表 田中直枝)