NO.32 農業革命
3月半ばに桜が咲き、その後の寒さに強風。身体の調整が難しい春でしたが、このところやっと安定してきました。前回も書きましたが、露地野菜の植え付けタイミングがますます難しいようです。
工場で生産されたレタスやトマトがカフェやレストランのメニューに顔を出します。都会の胃袋を賄うには工場生産品も必要でしょうが、「野菜の味がしない!」と感じることがあります。オランダは野菜生産のIT革命に成功し、ヨーロッパの大生産地になりました。温度・湿度・光・養分など徹底してデータ化し、効率化して野菜(主にトマトとパブリカ)を工場製品にしました。
そういえば、ヨーロッパで出された食事にはトマトとパブリカが必ずありました。日本でもトマトやイチゴなどのIT栽培が始まっています。
しかし、人のエネルギーの根幹は穀物で、日本では米です。水田のIT化が可能なら耕作放棄水田の再生が可能になる、そんな未来を描きたいです。
農業に企業が参入しやすくなり、異業種が農業経営に携わっています。農業がビジネスとして成りたち、グローバルな展開も必要でしょう。一方、キメ細かい繊細で高品質な作物栽培こそ、日本の農業とも言えます。
日本の農業技術が非常に高いのは、研究熱心で勤勉な農家が全国にいるからです。篤農家の技術が若い世代に継承され、日本だけでなく、開発途上国の農業振興に役立つことを願っています。
事務所の移転に伴い、新しいコンセプトをもった講座が登場します。講座を企画する視点が違えば、別な楽しみの発見へ繋がります。これからもどうぞよろしくお願いいたします。
(2013年5月 「田舎の学校」代表 田中直枝)