NO.104日本ミツバチ養蜂講座・第2回
(2010年7/4 長野県原村)
ミツバチの習性や巣箱作りについて学んだ第一回に引き続き、今回からは、いよいよ飼育についての講座だ。 まずはミツバチの群を確保することから養蜂は始まる。ハチを飼育農家から買ってくる方法と、自然群補捉(巣箱を置き、野生のミツバチが自然に入ってくれるのを待つ)があるが、講座ではもちろん自然群補捉についてレクチャー。ミツバチが巣作りに好む環境の条件がいくつかあって、その特徴について教えてもらう。そのあと、一ヶ月前に講師の荒野さんが理想とされるところに巣箱を設置したとの話で、群が入っているかを確認しに現場へ。すると、見事に野生のミツバチが巣箱で生活を始めていた。新しい野生ミツバチ家族との出会いとなった!?
自然群捕捉に続き、分封についての講義に移る。分封とは、ハチの群が大きくなると桜の咲く頃にふたつの群に分かれ、片方は巣を離れて旅立つ。が、この旅立つ群を新しく用意した巣箱へうまく誘導し、群を増やしていくという飼育を丁寧に教えてもらった。この方法であれば、ハチの群がどんどん増えそうな気もする。しかし、実際のところは病気になって弱っていく群があったり、急に巣箱から去る群があったりと、飼育する人の腕だけではなく、ハチの生活しやすい環境が問われることの重要性も教えてもらった。つくづくハチミツは人間とミツバチとの関係性、また自然との共生で味わえていることを実感する。
そして、この日最後に学んだのは、日常の管理の仕方について。巣箱の掃除や内部の点検、ハチの健康状態の見方についてなど、実際に現在飼育されている巣箱をチェックしながら作業を行った。最初は恐る恐る作業していた人もハチに次第に慣れてきて、体験してみることの大切さを実感。
今年から新しく始まった養蜂講座だが、野菜作りとはまた違うかたちで「作る・飼育する・食する」楽しさと共に、自然とは何かを考え、体験できるコースとなっている。(レポート:棚橋勉)


3.


1.今回荒野さんが仕掛けた巣箱。見事に野性のミツバチが入っていた。
2.巣箱の点検、掃除を実際にやってみる。意外と簡単でビックリ!ポイントはハチを刺激しないこと。
3.中の様子はこんな感じ。この箱はまだ新しい群なので巣を作り始めたばかりだ。
4.成長した巣はこのようにビッチリ。巣箱の重さを測って成長具合を観察する。